Tamron 28mm F2.8 CW-28

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緑が美しい万能なTamronの広角

おすすめ度

購入のしやすさ 9/10

非常に安価(2千円~)で、数多く流通しています。安価なものはアダプトールマウントがむき出しのものも多いので、注意が必要です。

使いやすさ 9/10

最短撮影距離 25 cmで全く問題ありません。重量もTamron公式ページにあるように240gで軽量です。フード無しでゴーストはある程度発生しますが、十分に許容範囲内です。

唯一、難を上げるならば、クリック付き絞りで半段づつ絞れますが、大きめの1段刻みの数字表示のため、視認性に欠けます。F3.4なのか、F4なのか分かりにくいことがあります。

現代レンズと比較した描写の独自性 4/10

  • Tamron公式ページにあるように、歪みはありません。(減点要素)
  • 周辺光量落ちも僅かです。(減点要素)
  • 耐逆光性に強く、フレア&ゴーストは出にくくなっています。(減点要素)
  • 開放は、柔らかく解像力は低めです。(加点要素)
  • 1段絞ると、シャープになりますが、解像感は不足したままです。(加点要素)
  • F8まで絞り込むと、かなりシャープですが、精密な線の細い描写ではありません。(加点要素)
  • 緑が強く出る、やや古風な色で描写します。(加点要素)

総合 5/10

2000年頃までのTamronズームレンズ同様に、解像度が不足気味で「カリカリ」な描写ではありません。しかし、オールドレンズに期待する典型的なエラーがほぼ無く、無難な描写をこなします。スマートフォンの普及で28mmが標準画角になってしまった現代では、この無難な描写性能は、MFのこのレンズをおすすめする理由を減少させてしまいます。

このモデル

Allphotolensesによれば、レトロフォーカス型の7群7枚です。CW-28は、アダプトールマウントで、1976年~1979年にかけて販売されたモデルです(Tamron公式ページ)。興味深いことに、Tamronは、同じ52mmでほぼ同じ重量の、7群7枚28mm F2.8のPFH-28Auを、アダプトマチックを付加して1972年から1973年の短い間のみ販売しており、その後販売を中止しています。

Tamronのマウントは、アダプトマチックから アダプトール、アダプトールⅡへ変遷しています。おそらく、CW-28は、同じ7群7枚のPFH-28AuにBBAR MULTIコートを付与し、アダプトマチックからアダプトールに変更し再販されたモデルだと思います。Tamron公式ページの記事では、アダプトールⅡマウントが1979年から販売開始されていますので、CW-28は、アダプトールマウント最後のレンズだったようです。

後継の7群7枚のmodel 02Bへの変更は、アダプトールからアダプトールマウントⅡへのマウント変更だけでなく、口径も小型化されていますので、何らかの光学系変化があったのでしょう。model 02Bは1992年まで販売されたロングセラーモデルだったようです。

撮影準備

アダプター

今回入手した個体は、純正ペンタックスKマウントのアダプトールが付いていました。このレンズは最短撮影距離25cmですので、ヘリコイド付きアダプター等は不要ですので、PK-NEXマウントアダプターでも十分です。

アダプトールとアダプトールⅡは、マウントアダプターを介して撮影する分には、完全互換性がありますので、手持ちのアダプトール→M42マウントアダプターも結合させることが出来ます。

今回は、純正アダプトールのがたつきが気になったため、アダプトール→M42M42-NEX(ヘリコイドなし)で撮影を行います。

アダプトール/アダプトールⅡ リアキャップ

中古市場で、アダプトールマウントむき出しの激安レンズが販売されています。しかし、市販のアダプトールリアキャップが販売されていませんでしたので、アダプトールリアキャップを3dプリンターで出力しました。

撮影(作例)

開放でも、線が細く精密な描写ではありません。柔らかい描写です。しかし、周辺光量落ちはほとんど確認できません。中心から外れた合焦面は、やや像が流れています。

開放では、光源ボケは輪郭が強めの円形ボケになります。

最短撮影距離では十分に寄ることが出来ます。

ごく希にゴーストが発生します。

絞り込むとそれなりにシャープになりますが、解像感は不足気味です。

コーティングの恩恵か、緑が非常に美しい色で描かれます。

ありがとうございました。

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