収差が少ない、元祖Orthometar型
おすすめ度
購入のしやすさ 2/10
ebayでも、あまり多くは見かけません。見かけても、非常に高価な価格が設定されていることが多く、安い個体は希です。
使いやすさ 2/10
120mmは、普段使いには、若干長い焦点距離です。ヘリコイド機構を持っていないレンズですので、フランジバック調整用のマウントアダプターとヘリコイドアダプターが必要になります。しかし、一度調整すると、素直なぼけで、ピントの山はつかみやすく、使い勝手は良好です。開放がF6なのは、若干厳しく感じますが、古典レンズでは標準的です。
現代レンズと比較した描写の独自性 4/10
太陽光によりコントラストは低下しますが、フードで遮光すれば、派手なゴーストが発生することは希です。収差が非常に少なく、ボケは暴れません。合焦エリアから外れると、急激にぼけるのではなく、なだらかになだらかにボケます。非常に自然なボケです。このレンズが設計されたイメージサークルとは異なりますので、評価すべきなのか疑問ですが、35mmセンサーでは歪曲はほぼありません。この意味では、「分かりやすい(派手な)」オールドレンズ、古典レンズの醍醐味は非常に少ないレンズです。しかし、絞っても硬くならない描写や、ハイライト部分での光の細かい暴れなど、オールドレンズ要素は十分堪能できます。
総合 2/10
マウントアダプター問題や、流通量の少なさなど万人向けではありません。元祖Orthometar型であるEuryplanを試したい、マニア向けかも知れません。
このモデルとこの個体について
Schulze & Billerbeck社は、Camer wikiによると、カメラのサプライヤーでレンズ自体を製造していないようです。spiral さんの記事によれば、 Euryplan は4群6枚で、Dagorの内側の張り合わせをはがし明るさを向上させた、1群・4群が2枚貼り合わせ、2群・3群が1枚の、Orthometar型とされています。しかし、無一居さんによると、同じく4群6枚で、1群・4群が1枚で、2群・3群が2枚貼り合わせのダブルガウス型と記されています。さらに、Camera wikiには販売当時のEuryplanの断面図によると、4群6枚なのか、2群6枚なのかはっきりしません。
このレンズはeBayでオランダの出品者が、€50という破格で販売していました。商品が到着して確認すると、前群、後群とも激しい曇りがありました。これを清掃する際に、分解すると、2群目と3群目がそれぞれスクリューで外せました。
曇りの原因は、空間に出来た結露でした。つまり、少なくとも、今回入手したEuryplan Serie II 120mm F6は、前群、後群とも3枚ずつの貼り合わせではなく、4群6枚のOrthometar型でした。
この個体は、Schulze & Billerbeck社は1914年にHugo Meyer社に吸収されているため、同社創業の1903年から1914年に販売されたものだと、推察します。
撮影準備
マウントアダプター(M42)
マウントアダプターを作製しました。これをM42ヘリコイド付きアダプターに接続することで撮影可能です。
レンズフード
レンズフードを作製しました。
フロントキャップ&リアキャップ
撮影(作例)
隅々まで、ゆがみ無く写ります。Orthometar型すごいです。100年以上前のものとは思えません。
後のフェンスも、ゆがみがありません。
流石に、光を反射する白は滲みます。コーティングが無いためです。
こんなに厳しい条件でも、端正に描写します。
線は太めで、軟らかい描写です。
開放(F6)では甘い描写ですが、派手な収差は出ません。
F8でしっかりした写りになります。
この写真の拡大を、下に示します。
後ボケも前ボケも幻想的です。
BAUSCH&LOMB RAPID RECTILINEAR 85mm F8(US 4)みたいなボケです。レンズ構成が左右対称なのが影響しているのでしょうか?それとも単に乱反射なのでしょうか?
ありがとうございました。