Nippon Kougaku NIKKOR-H AUTO 50mm F2

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F2制限により、収差を押さえ込んだ描写力

おすすめ度

購入のしやすさ 9/10

1964年~販売開始された古いレンズでありながら、中古市場で多く流通しています。それも、状態の良さそうな個体が多く見受けられます。これは、NIKON製品の耐久性の高さを、メンテナンスの容易さを示しているのでしょう。そのおかげで、価格は安価で、3,000円程度から購入可能です。

使いやすさ 7/10

  • 非常にオーソドックスな使用感です。
  • 合焦面は線の細い精密な描写です。
  • 非点収差はかなり押さえ込まれています。レモン型ボケも出にくく、トリミングをしても違和感は少なくなります。
  • 前玉が奥まった所にマウントされており、実質フードを内蔵しているようにも見えます。その上で、専用メタルフードもあります。”C”無しでも十分に耐逆光性能を発揮します。
  • ハイコントラスト気味の描写で、特にハイライト部は白飛びしやすく、RAW現像でも再現できません。モノクロフィルム用にチューニングされた描写でしょうか?この点は非常に扱いにくいレンズです。
  • 最短撮影距離は55cmで、十分許容出来ます。

現代レンズと比較した描写の独自性 6/10

ぐるぐるボケ、レモン型ボケも出にくく、「オールドレンズ」の中では個性の少ないモデルです。しかし、現代レンズと比較すると、十分に個性的です。以下加点要素です。

  • 光源ボケはアンダーコレクションです。
  • 二線ボケが発生することがあります。
  • ハイコントラスト過ぎて、ハイライトが飛びやすく、RAW現像でも復活できません。そのため、ハイライト部とシャドー部の境に変な色が残ってしまします。

総合 7/10

強烈な個性を発揮するレンズではありません。ダブルガウス特有の癖のある収差を、上手く押さえ込んだ、当時としては非常に優秀なレンズです。その反面、面白さには欠けてしまします。これらも含めて、「NIKONらしい」レンズではないでしょうか。防湿庫のスペースに余裕があれば、1本常備ておくのも良いのかも知れません。

このモデル

ニッコール千夜一夜物語 第二夜で取り上げられているレンズです。レンズ構成は、非常にオーソドックな対称性4群6枚で、ダブルガウス型です。

1964年から販売された、50mm F2の4群6枚のダブルガウス型は、コーティングが施されるなどのマイナーチェンジを経て、1977年販売開始のAI Nikkor 50mm F2にまで引き継がれています(LES-DB)。このモデルは、カメラとセットにして、航空自衛隊や陸上自衛隊に納品されていた経緯があるようです。

このレンズはマウント面にネジ無しの、扇形トールタイプのカニ爪で、鏡筒先端が銀色になります。Serial Number検索では、 1964〜1967年のAUTO 50mm F2には、600,001~704,257が割り当てられていたようで、この個体の638,***はここに該当します。おそらく1965年頃の製造なのでしょう。

ニッコール千夜一夜物語は、Amazonでも書籍が販売されていますが、ニコンのWebページでは無料で閲覧可能です。

撮影準備

Nikon F → Leica M でLeica Mマウント化すると、 Leica M→ SONY E(ヘリコイド付き)を使用すると、最短撮影距離を約10cmほど短縮可能です。

あるいはオーソドックスにNIKON Fマウント-NEX Eマウントアダプターを用います(Ai Gレンズ-NEX Eマウントアダプター)。このレンズは当然非Aiレンズですが、Ai(G)マウントアダプターは、非Aiレンズでも適合し、マウントアダプター上のリングから絞りの制御が可能です。

撮影(作例)

ダブルガウス型らしく、円形の光源ボケが発生しますが、レモン型になりにくく、巧く制御されています。

この円形ボケは、外周がくっきりとした状態です。アンダーコレクション状態です。 

ときおり、二線ボケが発生します。

 

ハイライトが白飛びしやすく、二線ボケと、相まって嫌なボケになります。

ニッコール千夜一夜物語では、樽形歪みがわずかに残るとされますが、確認できませんでした。

フードを付けても、シングルコートであることは隠しきれません。フレアが発生します。

ありがとうございました。

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