ニコンのHeliar
おすすめ度
購入のしやすさ 9/10
105mmなのに、ハーフマクロ、かつF4という中庸なスペック、さらに非AIのため、このレンズは非常に安価で取引されています。ヤフオクならば2~6千円程度です。流通量も多く、価格は安定しています。
使いやすさ 7/10
ピントの山は見やすく、非常に使いやすいレンズです。逆光耐性に欠けますが、鏡筒にビルトインレンズフードが付いているため、使いやすい構造です。-3点の理由は、重量と大きさ、ハーフマクロの点です。このうち重さに関しては、ミラーレスに装着した場合、重量バランスが悪くないため、持っていて辛くなることはありません。
現代レンズと比較した描写の独自性 3/10
逆光耐性が多少弱く、順光でも近くの白色によって、フレアが発生するケースもありました。しかし派手な収差は、ほぼ皆無です。非常に良く調節されています。解像感がありますが、決してシャープにはなりません。ハイコントラストなのに、色のりが悪いこともありません。このような理由から、この項目は、点数が低くなります。
総合 6/10
価格と使いやすさから、防湿庫に余裕があれば持っていても良いレンズだと思います。尖ったスペックがあるわけではなく、派手な収差が出るわけではありません。105mm単焦点の用途が合えば、非常に使いやすいレンズです。
このモデル
Micro-NIKKOR 105mm F4は、LENS-DB.comによると1975年からの販売です。販売開始時の定価は65,000円で、推定12,944本が販売されたそうです。しかし、1970年からヘリコイド機構を持たない、ほぼ同じレンズ構成のNikon Bellows Nikkor-Pが販売されていたことを考えると、これのブラッシュアップ版に見えます。このレンズは3群5枚のHeliar(Dynar)型です。鏡筒先端に金属製ビルトインフードが付属しています。残念なことに、フードは少し短く、また内面処理が甘いため、100%役割を果たすものではありません。しかし、80%以上の場面で役割を果たすことから、その意義は十分だと思いました。
レンズフード展開時
国産のHeliar型交換式レンズ
Voigtlander heliarを探していましたが、高価で、なかなか手が出ませんでした。そこで、国内メーカーの交換式レンズでHeliar(Dynar)型レンズを探してみました。その他ございましたら、教えてください。
・CosinaのHELIARと名前が付いている、一部のレンズ(全部でないことが注意です)
・Micro-NIKKOR 105mm F4(非AI/AI/AI-S)
・Nikon Bellows Nikkor-P 105mm F4
・Canon FD 100mm Macro S.C. F4
・Canon New FD 100mm Macro F4
・Canon FLM Bellows 100mm F4
・Asahi (Super-Multi-Coated ) Bellows-Takumar 100mm F4
・Asahi Super-Multi-Coated Macro-Takumar 6×7 135mm F4
・smc Pentax 67 100mm Macro F4
・Konica Bellows Macro-Hexanon AR 105mm F4
・Yashica ML Bellows 100mm F4
この個体について
ヤフオクにて数千円で購入しました。シリアル番号は、179***です。Photo Lensさんで検索すると、1975年 〜 1977年はNo 174011 ~ 186955ですので、1975年か1976年製であると予想されます。 特に大きなかび、曇りもなく、前後純正キャップ付きで入手しました。
撮影(作例)
とにかくよく写ります。さすがNIKKORレンズです。
F8まで絞ると、シャープです。
これに、AFが付いたら、現代でも通用すると思います。まあ、繰り出し量が多くて難しかったんだとは思いますが。。。
解像感は十分ですが、カリカリに硬くない描写です。
しかし、急にフレアが発生します。逆光耐性は、ビルトインフードを使って、何とかなるというレベルですね。
コントラストが高く写りますが、中間色や階調は維持されています。
汚い(ざわつく)と言われる遠景ボケは、私には気になりませんでした。
マクロ域も堪能出来ました。まるで、頭がネズミの蛇みたいな、サボテンです。
このレンズの後ボケは、酷評されることが多いですが、溶けるようなボケで、私は好きです。
ありがとうございました。