白が滲む MeyerのTessar
おすすめ度
購入のしやすさ 3/10
ebayでは比較的よく見かけますが、国内中古流通は非常に少ないレンズです。しかしながら、いずれも高価で、購入しにくいモデルです。
使いやすさ 3/10(マウントアダプター入手後 8/10)
このレンズはPRIMARFLEX II ですので、特殊なマウントアダプターが必要です。この点で、使いやすさは低評価です。しかし、今回作ったマウントアダプターを装着すると重量バランスは非常に良くなります。また、レンズのピントの山は、つかみやすいレンズです。最短撮影距離は4feet以下で、1mです。これは85mmレンズでは、普通の長さですが、マウントアダプターをM42にしたため、ヘリコイド付きマウントアダプターが使用可能ですので、マクロ撮影も可能になります。
現代レンズと比較した描写の独自性 7/10
Tessar型ですが、光の多い場所で開放で撮影すると、Meyer-Optik にありがちな派手な滲みが現れます。Carl ZeissのTessarとは異なり、独特な描写です。これは少し絞ると、解消されシャキッと締まり、Tessarに近くなります。
総合 4/10
開放でCarl ZeissのTessarとは、描写性質の異なる面白いレンズです。マウントアダプター問題が解消して、安い個体が見つかれば、絶対に買いのレンズです。
このモデルとこの個体
PrimotarとはMeyerがTessar型につける名称です。本レンズは、Bentzin社製のPRIMARFLEX II用で特殊マウントです。zeissikonvebによれば、Primotar 85mm F3.5は、PRIMARFLEX II以外にも6×6カメラ用に供給されましたが、後期には35mm用にM42やExaktaマウントもありました。35mm用は、6×6カメラ用を改造したものになるそうです。このモデルはVコートがされています。またヘリコイドは全群繰り出し式です。
この個体は、ヤフーフリマに出品されていたものを購入しました。出品者は、マウントを勘違いして購入した様で、1万円以下で入手しました。コートの劣化、カビ跡が残る個体です。購入に当たり、PrimarflexⅡ用マウントアダプターを探しましたが、販売されていない(見つけられませんでした)ことが分かりました。本レンズのシリアル番号は1,200,***です。Camera-wikiによれば、1950年か1951年製造です。PrimarflexⅡの販売が1951年とされていますので、ちょうど一致します。
撮影準備
このレンズはマウント部が広がっていますので、ここを挟み込む形式でマウントアダプターを作るようにしました。
マウントアダプター(M42)
リアキャップ
上の押さえリングを共通で使用します。
フロント被せキャップ
撮影(作例)
開放撮影で、太陽光の下の様な光を反射する物の多い画角では、強烈な滲みが発生します。
1段絞れば(F5.6にすれば)、滲みが消えて、かなりシャキッとします。
開放でも、日陰のでは何とか滲みが抑えられます。
二線ボケが出ます。
M42ヘリコイドをアダプターを使うと、マクロ撮影も可能です。
ありがとうございました。