Meyer Optik Görlitz Domiplan 50mm F2.8 (Exakta)

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ダメメイヤーのゴミプランなのか?、深淵にたどり着いた上級者向け仕様なのか?

おすすめ度

購入のしやすさ 7/10

Meyer Optik Görlitz Domiplanは安価な価格設定で売っていたらしく、現在もその安価な価格は維持されています。中古市場では流通量も比較的多く、安価です。加えてExaktaマウントはM42よりも人気が無く、安価です。

使いやすさ 1/10

このレンズは以下の6点において、本当に使いにくいレンズです。

1.非常にピントの山が見えにくいです。開放ではEVFでピント位置を探すのが困難です。

2.ピント位置が3m~∞まで、ヘリコイドの移動量が極少です。

3.絞りリングが非常に細く、操作性が悪い。

4.フォーカスリングが細く、操作性が非常に悪い。

5.最短撮影距離0.75mは長すぎます。

6.Exaktaマウント用のみですが、絞りは、シャッターノブ(横の銀色の板)を押し込まなければ、絶対に動きません(Carl Zeissやその他の多くのブランドでは、押し込み機構が備わっていますが、これは省略されています)。つまり、開放以外では、Exaktaのシャッターボタンとデジタルカメラのシャッターボタンの両方を押す必要があります。 解決法として板を挟みます

現代レンズと比較した描写の独自性 7/10

開放では、解像度が全く得られません。古典レンズ並の像になります。特定の条件では、トリプレットの特有の円形ボケが得られます。おそらくは、像面平坦性が足りないために、非常に薄い被写界深度が得られます。F5.6まで絞って、なんとか撮影可能です。

総合 1/10

 おすすめできません。同じ3枚玉ならば、Trioplanのほうが良いと思います。ましてや、Exaktaマウントは対策が必要ですので、絶対おすすめしません。多少高くても、M42が無難です。このレンズをおすすめできる人は、このレンズを、とっくの昔に購入して所有している人です。

このモデルと本個体について

Domiplan 50mm F2.8は3群3枚の、トリプレットです。DomiplanはLENS-DB.comによると1961年から販売されたモデルです。本レンズのシリアル番号は2,744,***です。Camera-wikiから、ほぼ1961年、1962年製造の初期ロットであることが推察されます。前期は本レンズのゼブラ柄で、後期はブラック柄になります。マウントはM42とExaktaが販売されました。このExaktaですが、大きな欠点がありました。他社製のExaktaマウントとは異なり、シャッターノブ(横の銀色の板)を押し込まなければ、絞りは絶対に動きません。絞り押し込み機構がありません(絞りオートモードのような状態です)。これを解決するため、押し込みノブを作りました。

本レンズは、ヤフオクで、業者から数千円で購入しました。

撮影準備

マウントアダプター

最短撮影距離0.75mを改善するため、カメラへの接続はEXA-LM, LM-NEXのアダプターを連結して行いました。これで30cm程まで寄れます。

シャッターノブ押し込み板

比較的外れやすいものと、外れにくいものと2種類制作しました。

比較的外しやすいもの(こちらをおすすめします)

この板でも、十分に保持できます。おすすめです。特に撮影場所で、ピンセット等の器具がなくても、手で外せます。

比較的外れにくい(外すには、ピンセットや精密ドライバー等が必要です)

この板を外すには、下の位置に何かを挿入して捻る必要があります。

上 装着前   下 装着後

撮影(作例)

LMマウントアダプターのヘリコイドを使用し、最短撮影距離を縮めました(35cm)。開放で、遠景に玉ボケが出ます。

開放では、ピントの山が見えませんが、絞ると、また、ピント位置がわからなくなります。困ったレンズです。

被写体が光を反射すると、ピント位置が怪しくなります。ピーキング機能が作動しない(しているのか分からない)です。

F5.6で、やっと、山が分かる程度です。動体撮影は、非常に厳しいレンズです。

F8で、なんとかなります。しかし今度は、またピーキングが効かなくなります。

開放では、撮れていればラッキーです。デジカメでは気軽に撮影できるので、笑ってられますが、このレンズをフィルムカメラで使った人は、現像から出てきた写真を見て怒ったと思います(知り合いから貰ったっていう類いの話をよく聞きます・・・。でしょうね。)。

しかも、シャッター押し込み板がないと、右手でデジカメのシャッター、左手でレンズシャッターを押しながら、ピントを操作するという離れ業が必要です。

そして、この柔らかい写り・・・。写真家の渡部さとるさんが「デジカメが200万画素になって以降、みんな開放で撮影をしだした、それまでは絶対に絞りを開けなかった。」とおっしゃっていました。

この合焦しにくレンズの開放の写りを、フィルム写真で堪能できた人はいたのでしょうか・・・。

F8でピント位置確認 → F4で微調整 → F8戻して撮影。。。。止まってくれないと無理です。

本当に気難しいレンズです。ありがとうございました。

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