ロシア流 脱力レンズは、現代デジカメをトイカメラに変身させる。
おすすめ度
購入のしやすさ 9/10
LOMO T-43 40mm F4が付いているSmena-8Mカメラや、そこから外されたLOMO T-43 40mm F4は、比較的多く流通しており、3千円程度で入手可能です。その中でも、特に動作保証の無いSmena-8Mは安価な傾向で、そこから分離され、何かのカメラマウントが結合されたLOMO T-43 40mm F4は少し値段が上がりますが、それでも1万円未満です。
使いやすさ 6~9/10
40mmという画角は、非常に使いやすく、万人向けです。満点でない理由は、レンズ先端の絞り調節レバーが小さく、操作性が悪いため -1としました。もし、マウント付きの個体に巡り会えば使いやすさ 9 だと思います。マウントなしやカメラごと購入する場合、マウント結合や分解操作があるため、6~ と評価しました。
現代レンズと比較した描写の独自性 7/10
ぐるぐるボケが発生します。それだけではなく、ピント面であっても、周辺が流れます。言い換えれば、中央しか解像しません。国産の大手メーカーでは、絶対に出せないレンズです。レンズを通して描く像は、ハイコントラストに見えますが、単にラチュードが低いだけです。良い意味で、脱力したロシアレンズです。
総合 9/10
今回私が購入した個体は、市場価格と比較して異常なほどの、超低価格でしたので、コストパフォーマンスが優れています。しかし、焦点距離が190mmであること、良好な状態の個体(高価な個体)の購入をして、簡単にカメラに連結できないことを考えると、おすすめ度は低くなります。
本モデル
1970~1995に販売された、ロシア、レニングラードのLOMO社製、Smena-8Mといカメラに連結されていたレンズです。主要市場はイギリスで、通算2100万個ほど製造されたそうです。そのため、中古市場に現在でも十分な流通量があります。
レンズは、安価なレンズの代名詞である、トリプレット3枚玉です。
購入した個体について
購入はebay経由で、ウクライナの出品者から購入しました。近年、ebayでの流通量は、圧倒的に少なくなっていました。購入した個体は、カメラから取り外されており、シャッターもヘリコイドも取り外されていました。側面のネジ穴は、そのまま穴が開いた状態でした。
撮影準備
ここでは、外付け(既製品)ヘリコイドの使用を考えます。
ヘリコイドを含めた自作は、下になります。
外付け(既製品)ヘリコイドの使用
L39フランジバックに合わせる。
SONY NEXの場合、M42-M42ヘリコイド(10-15mm)を用いる
購入したレンズは、ヘリコイドがありませんので、L39フランジバックに合わせて、ストッパーと一体型のM42の9mmの厚さのベースを作成しました(上図の下)。
これに、10-15mm M42-M42ヘリコイドを連結し、M42にNEXアダプターベースを連結しました。
これで最短1.5mほどまで寄れます。
改良版 ヘリコイドを大きくして近接に強くする。
しかし、この最短撮影距離(↑)は、少し長いので、以下の改良を行いました。
これに、17-31mm M42-M42ヘリコイドを連結し、M42にNEXアダプターベースを連結しました。
これで最短0.3m以下まで寄れます。
フロントレンズキャップを作成しました。
撮影(作例)
いつもの公園に来ました。今日は四月末なのに、特別暑いです。
ロシアレンズらしい、色乗りの悪さがいい感じです。
このレンズ、良い意味で、トイカメラ風の描写が楽しめます。
ダメダメなところも、許せてしまします。
遠景側で、ぐるぐるボケも出てきます。
背景がぐるぐるし始めています。
初めてお会いするワンちゃんでした。
今年は、とっくに桜散りました。
背景のバブルぼけもトリプレットらしいです。
さすがに30℃近くは、きついですね。
当たり前のように、白色が滲むレンズでした。
ありがとうございました。