古風な衣を纏った、前衛的な写りする秀才
おすすめ度
購入のしやすさ 5/10
最近は流通量が減りました。AR 100mmは特に流通量が少なく、価格も高めで難易度は高めです。本レンズである、Konica Fマウントの流通量は非常に少ないですが、ARマウントに比べ、人気が無く、比較的低価格に設定されていることが多いです。
使いやすさ 3/10
100mmという焦点距離は、私は大好きです。また、このレンズは明るく、使いやすいです。プリセット絞りと共通パーツのため、絞り位置がレンズ先端部にあることが、現代の一般的なレンズと異なり戸惑います。これに、馴れれば違和感なく使えます。マウントアダプター問題だけ解決したら(STLデーター)、万人向けだと思います。ARマウントで、お手頃な個体があればおすすめします。
現代レンズと比較した描写の独自性 4/10
カリカリの解像感はありません(この意味ではオールドレンズテイストです)。しかし、オールドレンズでは珍しい、すっきりとした写りで、抜けの良いレンズです。またクセノーター(クセノータール)型の特徴の、解像感が味わえる素晴らしいレンズです。この点でココの評価は低いです。
総合 5/10
安価な良い個体に巡り会えば、絶対買いのレンズです。しかし、レンズ構成は、FマウントもARマウントも変わりませんので、価格が同じならば、マウントアダプターが入手しやすい、Konica AR 100mm F2.8 をおすすめします。
モデル詳細
このレンズは4群5枚のXenotar型です。Konicaは100mmレンズをF2.8しか作っておらず、かつARマウントのHEXANON AR 100mm F2.8でも、全く構成です。
HEXANONは、KONICA FマウントとARマウントがあります。ARマウント版は、必ず名盤にARと記載があります。通常購入するときは、ARと記載のあるものを選んでください。
最短撮影距離は1.5m表記ですが、さらに少し回りますので、実質1.4mです。これは、同時代の標準的な長さですが、流石に長いですね。
コニシロク(後にコニカ)の100mm F2.8はLENS-DB.comによると1960年からの販売となっています。しかし、Camera-wiki.orgのKonica Fの紹介ページでは、Konica Fの販売開始時、1960年2月のカタログモデルは、Hexanon 35mm F2, 52mm F1.4, 85mm F1.8, 135mm F2.8 (プリセット絞り)のみで100mmはありません。続くKonica FSの販売開始時(1961か1962年~)にはカタログに、135mm F3.5, 200mm F3.5 (プリセット絞り), 400mm F4.5, 800mm F8と共に追加されたそうです。400mmや800mm!!と思いましたが、1964年の東京オリンピックを意識したラインナップだったのでしょう。いずれにせよ、100mm F2.8の製造は1961年~ARマウント登場の1965年と考えるのが妥当では無いでしょうか。
この個体について
この個体はプリセット絞りでは無いモデルです。なんと、ヤフオクで送料込み6千円で購入しました。ただし「ジャンク」とのことで、実際に届いてみると、絞りが動きませんでした。
Konica Fマウントレンズは絞りリングを操作しても、マウント面のプレートを下図の様に、外に出さないと、絞りは動きません。
今回の個体は、このプレートを動かしても、絞り開放のままでした。そこで、プレート周囲のネジを3本外してみると、絞りへプレートの動きを伝える棒が、適正位置に戻されていないだけでした。これを修正すると、絞りが動き、ホットしました。コバハゲはありますが、簡単な分解清掃で使えるようになりました。この分解には、Youtubeに上がっていた、HEXANON 52mmの分解動画が、大いに参考になりました。下にリンクを掲載いたします。
撮影準備
Konica Fマウントアダプター
Konica Fマウントアダプターは私の知る限り、muk camera serviceさんからしか販売されていません。
今回、自作アダプター(KonicaF to L39)を作成しました。
ただし、これ(自作アダプター(KonicaF to L39))は、絞り制御プレートを固定する機構はありません。
テープで固定するか、何かの固定が必要になります。私は、比較的簡単に外れるUVレジンで固定しています(下図)。
このアダプターを、L39-LMマウントアダプターによって、LMマウントに変換して、LM-NEXヘリコイド付きマウントアダプターで、使用しました。これで、5mmヘリコイドを繰り出すと、最短撮影距離は、1.4mが1mほどになります。
レンズキャップ
フロントレンズキャップは55mmの市販品を用いました。
リアキャップは上記アダプターを改変して、出力しました。
フード
フードは135mm F3.5用の純正メタルフード(KONI HOOD)が手元にありましたので、流用しました。
撮影(作例)
開放では、後ろボケが暴れます。。。
今日もドッグランです。
序盤から息が上がっています。
今日はいっぱい構ってもらっています。
ちょっと絞り込むと、十分に解像します。素晴らしいです。
最短撮影距離をヘリコイドで少し短くしています。
このレンズ、めちゃくちゃ良いレンズです。
盛大にピンボケです。流石に、お尻まで届かないです。。。
今日もいっぱい遊べました。ありがとうございました。