KONICA HEXANON AR 40mm F1.8

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元パンケーキレンズ以外の魅力

おすすめ度

購入のしやすさ 4/10

このレンズの人気から、ここ1~2年で中古市場で流通量が減少し、状態の良い個体は以前の倍以上に値上がりしています。1万円を超える価格で販売されることもあります。

使いやすさ 7/10

使いやすい点

  • 最短撮影距離は0.45mで、十分寄れるレンズです。
  • 重量は140gで軽量です。
  • 好みは分かれますが、絞りはクリック絞りです。

使いにくい点

  • 絞り制御リングが非常に細く、操作性は良くありません。
  • 前玉が奥にマウントされていないため、耐逆光性が低くフレアが簡単に発生します。
  • 鏡筒はパンケーキデザインですが、SONY Eまでマウントアダプターを連結すると、パンケーキデザインの利便性は全く喪失します。

現代レンズと比較した描写の独自性 6/10

角が取れた描写と暖色系の色かぶりが相まって、古風な描写になります。

評価出来る点

  • 薄型デザインを優先したためか、前玉周囲にフード様の部分がなく、耐逆光性能は低いレンズです。簡単にフレアが出現します。
  • 適正露出~暗部は暖色系で、寛容度の低く黒つぶれしやすく、古風な発色です。抜け感や透明感はありません。
  • 白色は派手に滲みます。
  • 開放~F2.8の描写は、エッジが出ずに柔らかく、オールドレンズらしい描写です。
  • わずかに、歪みを残しています。

評価出来ない点

  • ダブルガウス型に見られるぐるぐるボケ等、分かりやすい収差はありません。非常に上手くコントロールされた優秀なレンズです。

総合 6/10

上手くまとめられた描写をするレンズですので、1.パンケーキ型デザインと、2.40mmという焦点距離と、3.特徴的な発色をどの様に評価すべきかです。

残念ながら本レンズをSONYミラーレス機に適合させると、鏡筒部分が22ほどmm延長します(Konica AR 40.5mm,SONY E;NEX 18mm)。ですから、厚さ約27mmのパンケーキ型デザインの優位性は崩壊してしまいます。一方で40mmでありながら、レトロフォーカス型ではなく、5群6枚の変形ダブルガウス型を用い、135フィルムのイメージサークルをカバーした点は十分に評価に値します。発色に関しては、「抜けが悪い」とも評価可能ですが、エッジの立たない優しい描写と相まって、私は嫌いではありません。

収差は少ないですが、十分に低い耐逆光性能と滲みを楽しめる、優しい描写の40mmダブルガウス型は、魅力的な1本です。

このモデル

LENS-DB.comによると、5群6枚の変形ダブルガウス型です。このモデルのデザイン的特徴は、銘板に記載された40/1.8の赤色文字と、パンケーキデザイン:無限遠で約27mmの鏡筒です。1978年発表のこのモデルは、ワインダーを搭載したKonica FS-1やFC-1に搭載され、新しさをセールスポイントとして販売されていたようです。konicafiles.comによると、このレンズの製造はTokinaによって行われたそうです。

絞り羽根は6枚ですが、F2.8で手裏剣様の形状になります。

しかし、今回撮影した中でF2.8における光源ボケは、ほぼ六角形を維持しており、手裏剣型には見えませんでした。

撮影準備

Konica AR → Leica MLeica M → NEX でEマウント化しました。

通常ですとヘリコイド付きマウントアダプターの使用も検討するのですが、このレンズは、最短撮影距離が45cmと十分短いため、あえてヘリコイド無しのLeica M → NEXを用いました。

撮影(作例)

ダブルガウス型の多くは、光源がレモン型になりグルグルしますが、このレンズでは観察出来ません。その代わり、上の写真では左端に怪しいボケが出ています。

やはり、ざわつくボケになっています。

F2.8で手裏剣型のボケを期待しましたが、六角形で止まっています。

広角(35mm)のように使うと、やはりやや画角不足です。

白色は滲みます。

この滲みは、F8まで絞っても、無くなりません。

フレアが発生しやすく、解像力が落ちます。

全体的に古風な発色で、好感が持てます。アンダー部分は、暖色系に転びやすい傾向にあります。

この発色が、このレンズの最大のポイントかもしれません。

太陽光の下では急にハイコントラストになり、黒つぶれが起きます。

ありがとうございました。

 

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