防犯カメラからの転生、広角×ダブルガウスの新境地
おすすめ度
購入のしやすさ 5/10
Helios-44に比べて、流通量は圧倒的に少ないため、品質に比べ高値傾向です。カメラ用にマウント調節されていないものは、程度にもよりますが$100以下で見つけることが可能です。
使いやすさ 3/10
35mmの焦点距離は、汎用性が高く、使いやすい焦点距離です。一度、SONY Eマウントで、使用可能にすると、無限遠から10cmほどまで十分に合焦します。
フルサイズフォーマットでは、おそらく、フード先端部分に由来の四隅のケラレが発生します。また、M27 × 0.75スクリューマウントという、汎用マウントではありません。かつ、独自にヘリコイドを持っていませんので、ヘリコイドアダプターの使用が必須です。さらに、ほんの少しのレンズ移動で、非常に大きなピント移動が起こります。開放では、合焦させるのに、細心の注意が必要です。
現代レンズと比較した描写の独自性 10/10
端は盛大にグルグルします。ダブルガウス×広角(準広角)はめったに無い組合せでワクワクさせてくれます。順光では、こってりとした色のりが楽しめます。ロシアレンズらしく、逆光では、色が一切飛び、ハレーションの暴風が襲いかかります。
総合 3/10
安い個体が見つければ、絶対に欲しいレンズですが、カメラへの接続を考えなくてはいけません。国内で、マウントを用意して売っている個体は、自分で用意するよりも、数倍高価な価格が設定されています。このような高価な個体を買うのであれば、おすすめしません(おすすめ度3/10)。そこまでの、価格に見合う品質(ケラレも含め)ではないと思います。しかし、一度入手して使えるようになると、カメラが吐き出す『酷い画像』にうっとりすると思います(おすすめ度10/10)。ロシアレンズの旨味が、濃縮して詰まったレンズです。
モデル詳細&この個体について
Helios-33 は、Cooke Speed Panchroのコピーレンズとして有名になった、PO4-1Mと同じ構成のレンズだそうです。M42 mount Spiralさんの記事によれば、4群6枚です。Heliosの名の通り、端正なダブルガウス型です。
本レンズは、ポーランドの出品者から、、ebay経由で、約$100程で購入しました。販売者が「シネレンズ」と謳って売っていました。Helios-33について、webを探すと、どうやら、旧式の防犯カメラに付いていたレンズというのが分かりました。確かに形状が完全に一致しますし、二重の殻に包まれている(後述)のも納得です。シリアルナンバーから、1989年製であることがうかがえます。
イメージサークルは小さく、フルサイズセンサーを100%カバーしません。APS-Cでは、ギリギリ、ケラレないと思います。幸いなことに、LMマウントよりも1mm以上フランジバックが長く、3Dプリンターを用いたアダプター作製は、容易でした。
撮影準備
レンズの取り出し
側面のネジを外し、外殻を外すと、マトリョシカよろしく、中にも小さいレンズが入っています。これを用います。
このネジはM27×0.75です。
カメラへの接続
上記アダプター(M27-M42)を出力して、
M42-NEXの金属プレートで固定しました。
レンズフード&レンズキャップ
25mmの被せキャップを出力しました。
フードを出力しましたが、効果の程はわかりませんでした。
撮影(作例)
35mmフォーマットでは、イメージサークルがやはり小さいです。
今日もお散歩に行きます。
ロシアレンズらしく、反逆光から色が怪しくなってきます。
この強烈なぐるぐるボケ、Helios40以上かも?
この怪しい感じがたまりません。
絞れば、それなりの描写になります。
たくさんのワンちゃんとご挨拶出来ました。
順光では、綺麗な色が出てきます。
逆光では、ハレーションで真っ白になります。
ありがとうございました。