ソ連製のDialyte型
おすすめ度
購入のしやすさ 6/10
製造量は多く130 万台にも上るそうです。国内中古流通は少ないですが、ebayでは、数千円で取引されています。
使いやすさ 3/10
比較的ピントの山は、比較的つかみやすいレンズです。F4.5の開放で十分に楽しめるレンズです。このレンズユニットに、ヘリコイドは内蔵していません。ヘリコイド付きマウントアダプターを活用するか、ヘリコイドの自作が必要です。合焦のための、レンズ移動量が多く、早く合焦させるのは難しいレンズです。逆光耐性は皆無です。これは、コーティングが全くされていないためです。フードの使用が必須です。
現代レンズと比較した描写の独自性 7/10
Dialyte型独特の、フォーカスが外れた領域の暴れ具合が、とても印象的なレンズです。フードを付けていても、逆光耐性が無く、太陽光を反射する被写体は滲みます。線の太い描写で、解像力は不足気味です。アンダーでは黒潰れしやすく、オーバー気味のハイライト部は飛びやすくなっています。しかし、よくあるロシアンレンズに比べ、適正露出での色のりは良いレンズです。
総合 4/10
レンズユニットの質感、製造品質は低いです。比較的安価な材料を用いて作られたことが、各所からわかります。ドイツ製と比べると雲泥の差があります。この点から所有欲を満たしてくれるものではありません。
このモデルとこの個体について
Soviet Cams.comによれば、ソ連の GOMZ (後の LOMO) は、1930 年から 1941 年にかけて 9cm×12cmの蛇腹カメラFotokor-1 を製造しました。これに付属していたレンズです。Fotokor-1は、安価で130 万台が売れたみたいです。シャッターは初期モデル(1930-1932)は Compur 社製シャッターで、次に Vario 社製が使用されましたが、その後 GOMZ社製 シャッターになり、1934年以降はTemp 社製になりました。レンズ構成は、 4群4枚のDialyte型です。Lens Beamによれば、Goerz Celor のコピーという説があるらしいですが、真偽は不明です。
ebay経由でエストニアの販売者から、Fotokor-1を、29英国ポンドで購入しました。カビがありましたが、除去可能なレベルでした。本レンズユニットには、この最終形のGOMZのものが付属しています。シャッターから1934年頃の製造に見えます。
撮影準備
合焦のためのレンズ移動量が多く、通常のヘリコイドでは、早く合焦させるのが困難です。
マウントアダプター上部 要素1
マウントアダプター外壁 要素2
マウントアダプター下部 要素3
マウントアダプターストッパー 要素4
レンズフード
フロントキャップ
リアキャップ
撮影(作例)
ドッグランで、熱烈歓迎を受けました。
何をつぶやいたのでしょうか???
三者会議です。
前ボケ、後ボケが、ダブルガウス型やゾナー型とは異なる、幻想的な感じです。
このレンズは、オーバー気味よりもアンダー気味で撮影した方が、雰囲気が出ます。
かといって、アンダー耐性に強いわけではなく、潰れるのは早いです。
この合焦点から外れると、怪しい雰囲気が漂う描写、嫌いではないです。
もう トンボの季節です。
ありがとうございました。