FUJICOLOR 写ルンです SIMPLE ACE (QuickSnap) 32mm F10

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再利用レンズで、懐かしい写りを、ブラッシュアップして使用する

おすすめ度

購入のしやすさ 10/10

使用済みの写ルンですは、高くても送料込みで300円程度で購入できます。「レンズ」として考えると非常に格安です。

使いやすさ 5/10 (7~9/10)

写るんですの分解は非常に易しく、初見でも3分で終了します。レンズユニット後縁の平面化(切断)にはニッパーが向いていますが、素材は柔らかく、プラモデルの切断よりも容易です。
しかしながら分解してカメラに取り付けなくてはいけません。その点で使いやすさは低く評価せざるを得ません(5/10)。

マウントアダプターが完成すれば、小型で使いやすいレンズです。手持ちのミラーレスカメラがトイカメラに変身します。非常に小型かつ軽量、フロントレンズキャップの付け忘れも一切気になりません。(7~9/10)。

評価点数に幅がある理由です。

写るんですは固定焦点です。メーカーHPでは合焦範囲が1m~無限遠となっています。おそらくピントが2~2.5mくらいで調節されているようです。この位置でフランジバックを固定してみました。使いやすいんですが、いまいちピント面がはっきりとしません。写るんですらしい、「ちょっとピンボケの懐かしい写り」ではありますが・・・。もう少し、寄りたいです。32mmで最短撮影距離 1mはさすがに厳しいです。この状態の使いやすさは(7/10)です。

M42 10-15mmヘリコイドアダプターやLMヘリコイドアダプターを用いて調整することを前提に、完全にオーバーインフにしてみました。明確に無限遠が出て、ヘリコイドを伸ばすと近接30cm以下まで寄れます。この状態での使いやすさは(9/10)です。減点要素は、贅沢ですが可変式絞り機構が欲しいです。

現代レンズと比較した描写の独自性 9/10

1枚のプラスティックレンズで、ここまで描写可能なのは、凄いと思います。

わずか数百円未満の透明プラスチックレンズですが、価格は全く無視して評価します(全て加点要素)。

  • 中心部でも解像度は不足しています。現代のデジタルカメラには厳し過ぎます
  • 画面端の解像度は悲惨です
  • 画面の端にぐるぐるぼけが出現します
  • 糸巻き型歪みが発生します
  • ハイコントラスト気味で色のりはよくありません
  • 白色が滲みます
  • パープルフリンジが激しく出ます

総合 9/10

カメラにマウントするのが最大の問題です。自作が難しい場合、マウントを含めた購入になります。市販品も購入可能ですが、市販品の価格を考えるとおすすめ出来ません。マウントを含めた購入ならば、誰かの製作物を購入する方がおすすめです。

このモデルと個体

1986年から販売され続けている写ルンですですが、現在入手可能なのは、写ルンです SIMPLE ACE Flash27のみです。レンズはプラスチック製の 単玉 です。公式販売ページでは、32mm F10(固定)とのことです。感度はISO 400で、シャッター速度1/140秒です。

今回取り出したレンズを、小さなストロボと併せて、ISO 400&SS 1/140設定縛りで使用しても面白そうです。

今回用いたものは、使用済みのボディーを、送料込みで2個500円程度で入手しました。私が検索した範囲では、100個2000円で販売されているのも見かけましたので、探せば相当安価に購入可能かと思います。

撮影準備

取り出し

電池室を開けて電池を外します。

前面パネルを外して

フラッシュ電子基板を外し、レンスユニットを外します。

切断

レンズユニットを取り外し、切り取り線で切断します。

この2つのパーツを印刷して、挟み込みます。

3Dプリンター出力

マウントはL39に合わせました。

上部パーツ

下部パーツ

フロントキャップ

リアキャップ(M39)

L39マウントにL39-LMマウントアダプターを挟んで、LM-NEXヘリコイド付きマウントアダプターを用い、このヘリコイドで合焦操作を行いました。

撮影(作例)

周辺光量落ち、グルグルボケが凄くあらわれます。

糸巻き型の歪みが強く出ます。

パープルフリンジが激しく出ます。

端の解像は絶望的に酷くなります。

あまり細かいことを気にせず使う用途向きです。

ありがとうございました。

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