WIDE ANGLE ANASTIGMATを広角らしく使う。4×5の画角
自作フォーカルレデューサーを併用した、実験的な撮影のため、画質等の評価を行いません。これらは、通常撮影した際に、改めます。
おすすめ度
購入のしやすさ 未評価
使いやすさ 未評価
現代レンズと比較した描写の独自性 未評価
総合 未評価
Focal Reducerの経緯
DALLMEYER WIDE ANGLE ANASTIGMATを入手しました。5.5inch (140mm) F6.5のよく見られるスペックです。「WIDE ANGLE」という名前に引っかかりました。35mmフォーマットではどう考えても中望遠~望遠です。確かに4×5 inchのフィルムフォーマットでは焦点距離が約1/3になりますので、「WIDE ANGLE」といっても過言ではありません。Dallmeyerのカタログでは100°をカバーするという宣伝がなされています。そこで、格安でフォーカルレデューサーを作成して、当時の4×5の画角を体験したいと考えました。
このモデルと個体
1900年のカタログから4群4枚のRectilinear型であることが分かります。このレンズは、英国のebay出品者から、45ポンドで購入しました。シリアル番号291,xxxです。これは、無一居さんの資料から、1940年代の個体とわかります。表面にくもりが見られますが、これはおそらく、Dallcoating だと思われます。
撮影準備
フォーカルレデューサー用レンズ
Amazonで格安の両面凸レンズと両面凹レンズの組合せを購入しました。今回使用するのは、両凸レンズのみです。両凹レンズはバーローレンズ として使用しますので、今回は用いません。この様にコスト最優先ですので、当然ですが収差に溺れます。
フォーカルレデューサー
下部構造の中心にレンズを挿入し、上部構造で押さえ込みます。
アダプター
17-31mm M42-M42ヘリコイドを連結し、M42にNEXアダプターベースを連結しました。
本来は、全群繰り出しではなく、両凸レンズをセンサー面に対して固定するのが理想ですが、現状では難しいので、今後の検討課題とします。
この組合せで 35mmセンサーで画角45mm相当、F2.8相当になりました。
フード
広角45mm用フードを用意しました。
撮影(テスト)
ピント面以外の収差が酷いです。画角45mm相当で開放F2.8相当になりますが、合焦領域以外開放では使いにく過ぎます。
画角と明るさを得た反面、失う物も多い組合せです。
決して、中心部だけ収差が減る訳ではありません。ヘリコイドを延長したときの方が、収差は少なくなる傾向のように思えます。
滲みはDallcoatingのせいかと思います。
紀州犬の団体さんとお会いしました。
絞り込むと、解像面は増えますが、光のコントロールが難しくなります。
遠景は、酷いですが趣のあるものになります。
接写マクロについては、フォーカルレデューサーの意義があるのか・・・疑問です。
ありがとうございました。