柔らかく解像低めの千代田光学製引き伸ばしレンズ
おすすめ度
購入のしやすさ 8/10
引き延ばしレンズですので、価格は安価で、千円~数千円程度で購入可能です。しかし、流通量は多くありません。ヤフーオークションでも、出品は少なめです。
使いやすさ 6/10
軽量小型で取り回しは、非常に楽です。レンズ後端のネジは他の引き延ばしレンズ同様M39です。他の引き延ばしレンズ同様に、合焦機構を持ち合わせませんので、フランジバック調整とヘリコイド機構が必要です。当然ながら、耐逆光性は一切考慮されていませんので、フードも必要です。
現代レンズと比較した描写の独自性 7/10
- 引き延ばしレンズですので、耐逆光性は皆無で、フレアが出やすくなります。
- 暗部の階調は少なく、比較的早く潰れてしまします。
- 白飛びも起こしやすく、RAW現像でも再現範囲は少なめです。
- 解像力は低めです。
- 線の太い描写になります。
- 口径食が表れます。
総合 7/10
引き伸ばしレンズの中でも、カメラに装着して使うことを想定すると、使いやすいレンズです。解像低めで、明暗の階調が少ない描写になります。非常に高級感のある外観ですので流通価格から考えると、高コストパフォーマンスに思えます。
このモデル
雌山亭さんによるとChiyoko(千代田光学)名でE.ROKKOR 75mm F4.5は前期と後期の2モデル出ていますが、いずれもトリプレット構成だそうです。ミノルタカメラに社名変更後は、E.ROKKOR 75mm F4.5がTessar型になっているそうです。今回のレンズは、トリプレットの前期型になります。
撮影準備
3D Printer出力
M42にフランジバックを延長するため、21.5mmのTubeを足しました。これは、レンズ側がM39で、カメラ側がM42です。これで、無限遠が出ます。
耐逆光性が皆無なので、Hoodが必須です。
リアキャップはM39です。
内面処理
3Dプリンター出力品の内面は、アクリル塗料(ターナー色彩 アクリルガッシュ 暗黒ブラック)の塗布を行いました。
この塗布には、筆を用いるよりも、キムワイプか、ケイドライが向いていると思います。
ヘリコイド付きマウントアダプター
M42-NEXヘリコイド付きマウントアダプターでフォーカスを合わせます。
撮影(作例)
口径食が出てきます。
レンズフードの効果は、かなり強力ですが、それでもフレアは発生します。
アンダーは寒色に転びます。
開放では、焦点よりも後で非点収差も現れます。
M42ヘリコイドアダプターで、十分に寄ることが可能です。
アンダー領域は潰れて持ち上がりません。
絞ると画質は締まりますが、シャープ過ぎません。
ありがとうございました。