Zeiss-Opton Triotar 85mm F4

投稿者:

東西統一のMade in Germany

おすすめ度

購入のしやすさ 4/10

安価なものも多いですが、状態の良いものは少ないです。1万円台は潔癖症の人には無理なものが多いと思います。過去に人気のあったレンズで、中古市場での流通量が少なく割高になります。

使いやすさ 4/10

旧Contax Cマウントのレンズの種類が少なく、アダプターを購入するハードルが高いです。これを乗り越えて購入しても、アダプターとレンズが適合するのかを確認するまで安心できません。

現代レンズと比較した描写の独自性 8/10

3枚玉らしく、美しい球ボケが出ます。個体の状態なのか、ハレーションが起き、耐逆光性能は低いです。

総合 6/10

旧Contax Cマウント問題を解決でき、良いコンディションのものが見つかれば、おすすめの1本です。

 

モデル詳細

LENS-DB.comによると、名前の通り3群3枚のTriplet型です。この構成図は、トレースはLENS-DB.comの構成図をトレースしたものです。Triotar 85mm F4は、Carl Zeiss Jena名では、1932年から製造されていたみたいです。本モデルはZeiss-Opton名ですので、Oberkochenに移ってからの、戦後1950年以降の製造モデルです。

ですのでレンズコーティングの、“ T ”が記載されています。興味深いのは、後にCarl Zeiss表記になってから(?、戻ってから?)と使われる “ T* ”ではないことです。“T”と“T*”は別のコーティングなのでしょうか?

この点、出品者のひとりごと・・・さんで、解説されていましたので、以下に

T” モノコーティング (or マルチコーティング) 1939年~

T*” マルチコーティング 1972年~

 

マウントは、ハードルの高い、旧Contax Cマウント(Nikon Sマウント)です。

側面には、Made in Germanyと記載されています。“West Germany”ではないんですね。統一の可能性を捨てていないという強い意思を感じます。

 

この個体について

Camera-wiki.orgに因れば、Zeiss-Optonの製造番号は以下です。

1946-1951年:10,000~500,000
1951-1953年: 500,000~1,100,000
1953-1959年: 1,100,000~2,600,000

シリアル番号855***は、製造年1951-1953ですが、恐らく1952年か1953年前半ではないかと想像されます。ヨシフ・スターリンの死亡(1953年3月)の前後に作られたこのレンズは、どんな人に購入され、どんなオーナーを渡って、東洋の片田舎の私の所にやってきたのでしょうか。

ヤフオクで、1万円ほどで購入した、このレンズ。鏡筒の状態が悪いシルバーモデルでした。

フロントキャップは、非純正の被せキャップが付属していました。フィルター径40.5mmですので、キャップは入手困難ではないですが、付いているのは、助かります。

リアキャップは付属していませんでした。以前にAli Expressで購入していた、リアキャップを付けました。

光学系は、前玉に幾つかの傷があり、チリの多い個体です。清掃を試みましたが、前玉を外すのは名板を外すだけではなく、絞り環に付いている、三カ所のイモネジを外す必要がありそうなので、諦めました。

 

このレンズとマウントアダプターの相性

旧Contax Cマウント(Nikon Sマウント)のレンズは、マウントアダプターとの相性が結構あります。特に安価な(1万円以下の)マウントアダプターは、「全ての」レンズには、適合しないと考えた方が良いと思います。

今回試した2つのマウントアダプターもそうでした(他のレンズでは問題なくてもこのレンズとの相性が良くなかったです)。

1.Nikon S → SONY Eマウントアダプター

上のリンクはPixco名ですが、同じ金型と思われます。

内面が干渉するため、内面を一層削る必要があります。

2.Nikon S → Leica Mマウントアダプター

丸印の部分を、少し削らないと、レンズがロックされません。

今回は、旧Contax C → Leica MLeica M → Sony Eマウントアダプターの2連で用いました。

撮影(作例)

3枚玉なので、他の3枚玉と同じように、開放では非常に球ボケがきれいです。

 

本日は、近場のドッグランでイベントが行われており、ワンちゃんがいっぱいでした。

 

シャドー部は、青色に転びます。Tコーティングのせいでしょうか?

 

近くの公園に移動しました。

開放でのフワフワ感は、このレンズの魅力です。

 

お友達のトイプードルくんに会って、大満足でした。

開放F4なので、決してピントの山が見えにくい訳ではありません。

ピントを外しているのは、単に技術的な問題です。

 

F8~11まで絞ると、シャキッとした解像感を見せてくれます。

 

黄梅が咲いていますが、もう終わりですね。

もう少しで桜ですね~。

 

最後まで見ていただき、ありがとうございます。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA