非典型的ダブルガウス型の描写
おすすめ度
購入のしやすさ 8/10
比較的多くが中古市場に流通しており、かつ安価です(ヤフーオークションで3,000~9,000円程度)。KONICAの交換レンズはCanonやNikonに比べれば、中古市場の流通量は非常に少ないため高値傾向なのですが、その中でもAR 57mm F1.4がかなり安め設定なのは、このレンズが当時の廉価モデルだっただからではないでしょうか。それが証拠に、1973年~販売されたAR 50mm F1.4(50mmで最速)は、AR 57mm F1.4の2倍ほどの価格で流通しています。
使いやすさ 8/10
最短撮影距離45cmで十分寄れます。絞り・ヘリコイド操作はオーソドックで使い勝手は良好です。
重量は280gですが、マウントアダプター分ボディーから離れた場所にマウントするため、やや重く感じます。
現代レンズと比較した描写の独自性 6/10
ドイツ系のレンズと異なり、アンダー部が暖色系になります。開放ではフレアが、容易に発生します。斜光~逆光で虹のゴーストが発生します。ダブルガウス型によく観察される、グルグルボケは観察出来ませんでした。大きな玉ボケと二線ボケが表れます。F8まで絞ると、シャープ過ぎませんが、四隅まで十分解像します。
総合 7/10
多くのダブルガウス型に表れるグルグルボケは表れませんでした。一部で二線ボケが登場します。しかし、描写の素晴らしさと雰囲気を写し取る力は、やはりダブルガウス型です。明らかにTessar型、Triplet型とは異なる、特徴的なボケになります。
このモデル
このレンズ
LENS-DB.comによると1967年販売開始の、5群6枚のダブルガウス型です。この構成は、Fマウント時代のKonishiroku Hexanon 52mm F1.8に酷似しています。Fマウント時代の上位モデルKonishiroku Hexanon 52mm F 1.4 やKonica Hexanon AR 57mm F1.2はより豪華な7枚構成です。ここからも分かるように、KONICA HEXANON AR 57mm F1.4は、廉価価格帯(もしくは普及価格帯)として販売されていたのでしょう。
Konica標準レンズラインナップ
Konica Fマウント用
- 1960年~Hexanon 52mm F1.4
- 1960年~Hexanon 50mm F2
- 1965年~Hexanon 52mm F1.8
Konica ARマウント用
- 1965年~Hexanon 57mm F1.4
- 1965年~ Hexanon (AR) 52mm F1.8
- 1967年~Hexanon AR 57mm F1.2
- 1967年~Hexanon AR 57mm F1.4
- 1973年~ Hexanon AR 50mm F1.4
- 1973年~ Hexanon AR 50mm F1.7
- 1981年~ Hexanon AR 50mm F1.8
撮影準備
Konica ARマウントですので、Konica AR-NEX(Sony E)マウントアダプターが適切だと思います。このレンズは最短撮影距離45cmですので、Leica Mマウントのマイクロヘリコイドを積極的に使用する理由はありません。しかし、今回は、開放を多用しようと思いTEACH ART LM-EA9を使用するため、あえてAR-LMマウントアダプターにTEACH ART LM-EA9を併用しました。このレンズは全群繰り出し方式ですので、LM-EA9を用いても光学性能に大きな影響を与えません。もっとも、LM-EA9だけで完全AF化することは出来ません。このレンズは無限遠~0.45mまで繰り出し量が10mm以上ありますので、調節幅数mmのLM-EA9では全距離調節は不可能です。最長3mとしたら、レンズの指標を3mに合わせて使用する、半MFになります。
また、このレンズにはARマウントリアキャップが付属していませんでした。そこで、3Dプリンターで出力しました。フィラメントはOVERTURE PLA Plus (PLA+)を用いました。
撮影(作例)
度々、斜光~逆光で虹のゴーストが出現します。
フレアで低コントラストになります。逆光耐性は高いレンズではありません。
二線ボケがあらわれます。
玉ボケは大きめで出てきます。
ダブルガウス型共通の性質で、F8まで絞り込むと、シャープな像が得られます。
セミAF化は、かなり合焦操作を軽減します。
最短撮影距離45cmは、使い勝手に優れます。
ありがとうございました。