Meyer-Optik Helioplan 75mm F4.5

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高難易度なクセ玉、マクロ用途に適切?

 

おすすめ度

購入のしやすさ 5/10

Meyerのレンズの中では、Heliopplanの流通量は少なめです。その中では、75mmは比較的流通量があるモデルで、ebayでは、比較的状態の良い個体が、常に数点、1万円~という価格で販売されています。

使いやすさ 2/10

このモデルは、ヘリコイドがありませんので、ヘリコイドアダプターが必要です。また、逆光耐性が皆無です。フードが必要です。加えて、マウント径は特殊です。開放でも、絞り込んでも、ピントの山が掴みにくく、合焦作業が難しいレンズです。評価すべき点は、小型ですが、十分なイメージサークルを持ち合わせており、重量も35gと軽量ですので、取り回しが楽です。設計時の用途通り、近距離、マクロ専用として使うには、非常に使いやすいモデルです。

現代レンズと比較した描写の独自性 8/10

開放では低コントラストになりやすく、RAW現像での補正が必要です。軟らかい描写をします。斜光~逆光では、フレアが盛大に発生し、解像力は一段と低下します。派手なボケはあらわれませんが、遠景点光源は、綺麗な円形ボケになります。白色は、光を反射して、滲みます。絞り込むとコントラストに、やや改善が見られます。しかし、絞り込んでも軟らかい描写傾向は変化しません。しかし、この低コントラスト画像は、白黒変換すると、見違えた様に素晴らしくなります。

総合 2/10

特殊なマウント径、ヘリコイドが無い点、中距離の合焦操作の難しさなど、全般的に難易度が高く、万人向けではありません。評価すべきは、軟らかく低コントラストな描写をする点です。

このモデルと個体

このモデル(Meyer Optik Helioplan)は、1950年代まで製造されたヘリコイドを持たないレンズ(引き伸ばし用、映写機用、複写用)です。後にM42マウント版(一眼レフ用)が製造されますが、当初は引き延ばし用が主流だった様です。Lens Beamに掲載される記事によると、Helioplanの焦点距離は、40mm、55mm、75mm、105mm、135mm、210mmの6種類が販売されたそうです。開放絞り値は、すべて、4.5です。75mmは、4群4枚のDialyte型になります。

この個体ebay経由で、ウクライナの出品者が出品しているのを購入しました。エレメント状態が良くなく、全てのエレメントを清掃しました。このモデルの分解清掃にあたっては、1枚目と4枚目の表裏が、非常に分かりにくいので注意が必要です。この個体は1,448,***の製造番号ですのでCamera-wiki.orgによると、1954年頃の製造であることが分かります。

撮影準備

23mmのチューブ(Body)を作成し、M42ヘリコイドアダプターに連結しました。

レンズフードを作製しました。内径31.99mm

フロントレンズキャップ

リアレンズキャップ

M42-NEXヘリコイド付きマウントアダプターでフォーカスを合わせます。

撮影(作例)

F8まで絞っても、軟らかい描写です。

曇天下では低コントラストな描写です。

白黒では、かなり良い描写になります。

中距離での合焦は難しく感じます。

開放では、癖の無いボケです。後の点光源が綺麗に、小さな玉ボケになります。

耐逆光性能は低いレンズです。しかし、ゴーストは少なく、もっぱらフレアが現れます。

なかなか難しい癖のあるレンズです。

開放で1m以下は、非常にピントの山が分かりやすくなり、合焦させやすくなります。

本来の使用用途から、近接白黒が良いのかもしれません。

ありがとうございました。

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