STAEBLE-LINEOGON 35mm F3.5

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最少構成のレトロフォーカス型なのかトリプレットの変形なのか?

おすすめ度

購入のしやすさ 2/10

国内流通量は少なく、3万円程度です。ebayでも€200~と高値がついています。原因として、流通個体数(製造本数)の少なさがあると考えられます。このレンズの品質と写りを考えると、流通価格はプレミア価格になっていると思います。

使いやすさ 7/10

軽量小型で携帯性に優れたレンズです。真逆光でなければフレアなどは出にくく、耐逆光性能はこの時代のレンズにしては優れていると思います。Paxetteマウントは、M42よりも少し(1mmほど)短いため、何らかの調節が必要です。ピントの山は決して見やすいレンズではないです。絞り制御が先端にあり、絞りを調節するとピントリングが移動してしまいます。

現代レンズと比較した描写の独自性 6/10

解像度は低く、絞り込んでもカリッとはしません(加点要素)。言い換えればピントの山が見えにくいというデメリットがあります。僅かに歪みが生じます。四隅は若干光量落ちが見られます(加点要素)。4枚構成の限界なのかも知れません。レトロフォーカス型は個性(欠点)が少ないもが多いですが、その中で、このレンズは十分個性的です。

総合 4/10

PaxetteマウントはM39ですし、フランジバック調整は、L39フランジバックから延長チューブなどで対策可能ですので、難易度は高くはありません。しかし、現在の市販価格は高すぎます。このレンズの実力を考えると、半額以下が妥当です。

このモデルについて

上図は、出品者のひとりごと・・さんの構成図をトレースさせていただきました。4枚4群で、私はこの構成図から、元祖レトロフォーカス型かと思いました。出品者のひとりごと・・さんは、絞り位置から、トリプレットの発展型とされています。確かに開放のボケ、ピントの山が見えにくいことなど、3枚玉の性質を十分に反映したレンズだと思います。

BraunのPaxettマウントは、M39スクリューマウントですが、フランジバック44mmです。これは、M39-M42リングをかませて、M42(プラクチカ)マウントアダプターを用いた場合、約1.5mm短く、無限遠が出ません。専用のマウントアダプターが必要になります。

この個体の入手

この個体は、Roeschlein Kreuznach LUXON との抱き合わせで、ドイツの出品者から€200で、ebay経由で入手しました。レンズには汚れがありましが、簡単なメンテナンスで、使用可能な状態になりました。レンズキャップは付属していませんでした。

撮影準備

パクセッテマウントアダプター

Paxetteマウントは、フランジバック44mmです。L39フランジバック28.8mmに調整するためは、15.2mmの延長チューブを配置すれば良いのですが、安全を見て15mmのL39チューブとしました。

リアキャップ

M39リアキャップを出力しました。

カメラへの接続

上記マウントアダプターでPaxetteをL39フランジバックにしました。その後、次のの3案が考えられます。

撮影(作例)

絞り込むと、中心の解像度はそれなりに確保されますが、カリカリではありません。端は低解像です。

開放では円形~レモン型ボケが出ます。レモン型ボケは、設計に無理があるためでしょうか?確かに変形トリプレットなのかも知れません。

 

絞り込んでも、パンフォーカスが作りにくいです。

真逆光では、さすがにゴースト、フレアが発生しますが、耐逆光性能はある程度確保されています。

  白色滲みも非常に少なく、優秀です。

  四隅の周辺光量落ちが発生する場合もあります。

ありがとうございました。

 

 

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