THAMBARの表現を求めて
おすすめ度
購入のしやすさ 8/10
135mm以外のHektorは、個体数が少ないみたいで非常に高価です。Leitz も例外では無く、135mmは全く人気がありません。一万円未満~という安さで取引されています。それでも、売れ残りが多くあります。
使いやすさ 2/10
135mm角は、スナップでは使いにくい画角です。それ以外でも、使いにくい要素が多く存在します。最短撮影距離1.5mは、さすがに長すぎます。これはLM-NEXのヘリコイドでも、ほぼ短縮できません。また、鏡筒と三脚座が440gで重めです。鏡筒の長さ約13cmは、ライカレンズの中では大型の部類です。しかし、ピントの山がつかみやすく、フォーカシングは行いやすいレンズです。
現代レンズと比較した描写の独自性 6~8/10
通常の場合(センタースポットフィルターが無い場合)、しっとりとした、解像度も十分に得られる描写です。自然なボケ味ですが点光源は綺麗な玉ボケになり、二線ボケも現れます。描写は、太い線の絵で、コントラスト低めの、しっとりとしたものです(6点)。センタースポットフィルターを装着した場合、玉ボケになる部分(光を反射する部分)の中心が抜けた、独特な描写になります。当然ですが、THAMBARの様な、軟調ではありません(8点)。THAMBARオリジナルのセンタースポットは、グレーなのですが、今回は白を用いたためか視野全体が、白く低コントラストになることが多かったです。
総合 4/10
格安で入手した場合、普通のプロテクターフィルターのセンターに、スポットシールを貼り付けて撮影する分には、十分楽しめるレンズです。しかし、135mm F4.5は日常使いには使いにくいレンズですので、積極的にはおすすめできません。
このモデルと個体について
Hektor 135mmは変形Triplet型になります。変わったレンズ構成は、Tessarの特許から逃れるためらしいです。ところで、このレンズ構成は、あのTHAMBAR 90mm F2.2と同じです。THAMBARは軟調ですので、それを再現するのは難しいかと思います。しかし、センタースポットフィルターを入れて、変わったボケを出すことは可能かと思い、購入しました。
本来ならば、THAMBAR 90mm F2.2に近づけるため、コーティングがあまりされていないLM39 のモデルが良かったのですが、手頃なものが見当たらず、数千円でLMマウントモデルをチョイスしました。残念ながら、この個体は、僅かに無限遠が出ませんでした。先端のレンズユニットに適合する、M42自作アダプターで対応することにしました。
撮影準備
ヘリコイドの部分をM42-NEXとすると無限遠~約1mまで近接可能ですが、これではオリジナルとあまり変わりありません。そこで、ヘリコイドの部分をM42-NEX、M42-M42(25-55mm)を接続しました。これで無限遠~約0.5mになりました。
レンズユニットアダプター
レンズユニットアダプターを出力しました。
M42-NEX用
レンズユニットアダプターと組み合わせて、M42のマウント面から、87mm延長チューブになります。
M42-NEX & M42-M42(25-55mm)用
M42-NEX用よりも25mm短い延長チューブです。レンズユニットアダプターと組み合わせて、M42のマウント面から、62mm延長チューブになります。
M42 25mm延長チューブ
M42-NEX & M42-M42(25-55mm)用をM42-NEXで使用するための延長チューブ
リアキャップ
このレンズユニットアダプターを接続時の、レンズリアキャップを出力しました。
フロントレンズキャップ
被せキャップを出力しました。
センタースポットフィルター
Amazonで激安39mm中華製プロテクトフィルターを購入しました。激安といっても39mmはマイナーなので高めです。
これの中心に、直径9mmのダイソー製白色シールを貼りました。
M42-NEX & M42-M42(25-55mm)+自作チューブで撮影します。
撮影(作例)
センタースポットフィルターの効果で、背景光源が変わったボケになりました。
さすがに、硬くはありませんが、軟調とまでは言えません。十分に解像します。
背景が、二線ボケでザワザワします。
白は滲みやすいです。
このレンズが出す絵は、アンダー気味に調節した方が、良いようか気がします。
マゼンダ被りが起きています。
樹のあたりは二線ボケになります。
派手な二線ボケです。さすがに、うるさく感じます。
ありがとうございました。