開放で虹のゴーストと収差が楽しめる小粒な50mm
おすすめ度
購入のしやすさ 7/10
オリンパスの最も標準的なレンズです。製造期間は長く個体数も多いため、中古市場価格も安値安定しています。数千円で状態の良いものが見つけられると思います。
使いやすさ 9/10
ピントの山は見やすく、非常に使いやすいレンズです。小型ですが操作性は犠牲になっていません。加えて軽量です。最短撮影距離0.45mも標準的なスペックです。逆光耐性が弱めであること以外、減点要素が皆無のバランスの良いレンズです。
現代レンズと比較した描写の独自性 7/10
逆光耐性が弱く、虹色のゴーストが出ます。開放では低コントラストフワフワした像です。白色は滲みます。四隅の周辺光量落ちが確認できます。また、前ボケがグルグルぼけになりそうなのを、辛うじて防いでいる像になります。絞ると、こってりとしてた色のりで、高コントラストになります(このコントラストは、現代レンズと同じくらいの高さです)。
総合 6/10
バランスが良く非常に使いやすいレンズです。開放時は、オールドレンズとして十分な収差が楽しめます。ただし、とびきり安い訳でもなく、派手な収差が現れる訳でもなく、わかりやすい「絶対におすすめできる理由」が無い(言い換えれば、何事もそつなくこなすクセの少ない)レンズです。
このモデルとこの個体について
このレンズは、6群7枚の変形ダブルガウスタイプです。M-1の標準レンズとして1972年から発売されました。 OMマニアさんによると、5バリエーション存在するみたいです。
- G.ZUIKO AUTO-S表記 銀縁モノコート M-SYSTEM表記もある
- G.ZUIKO AUTO-S表記 黒縁モノコート
- ZUIKO MC AUTO-S表記 マルチコート マルチコート色が濃い Serial 700,000~1,000,000
- ZUIKO MC AUTO-S表記 マルチコート マルチコート色が薄い Serial 1,000,000~1,100,000
- ZUIKO AUTO-S表記 マルチコート マルチコート色が薄い Serial 1,100,000~
また、トリウムレンズは1970年代半ばまで製造されていたみたいです。
本個体はG.ZUIKO AUTO-S表記 銀縁、Serial 243,***ですので、モノコートです。派手な虹のゴーストはモノコートのせいかもしれません。
撮影準備
OMマウントレンズですので、OM→ライカM、ライカM→NEXでカメラに接続しました。
撮影(作例)
派手な虹色ゴーストが現れます。
逆光耐性は、高くないレンズです。
これをエモいと捉えることが出来るかどうかで、このレンズの価値は変わると思います。
この開放では、低コントラストで柔らかい描写です。癖になります。開放で白は滲みます。
少し絞るとシャープさを取り戻します。
F8では、色のりが非常に優秀です。
高コントラストでシャープです。
前ボケは、グルグルボケになりかけています(発生しています)。
ありがとうございました。